esuの本がある暮らし

本を読むって、面白いしためになるし、ほかの人にも伝えたい。だけど良さを伝えるのって難しい・・・少しでも読んだ本たちの魅力が伝わりますように。

働く意味について悶々としているそこのあなたに読んでほしい

自己啓発本ばかりが弱った時の薬ではありませんよ!

小説『永遠のディーバ: 君たちに明日はない4垣根涼介、著。

 

永遠のディーバ: 君たちに明日はない4 (新潮文庫)

永遠のディーバ: 君たちに明日はない4 (新潮文庫)

 

 

 

これ、じわじわ有名なシリーズです。

リストラのアウトソーシングを請け負う会社(架空)

で働く、リストラ請負人・村上真介とそのリストラ対象者が織りなす

連作短編集です。

すでに第5作まで出ていて、完結済み。

 

リストラ面接官・村上真介の今度の相手は、航空会社の勝ち組CA、楽器メーカーでくすぶる元バンドマン、ファミレスの超優秀店長、おまけに、破綻した証券会社のOBたち。企業ブランドも価値観も揺らぐ時代、あなたは明日をどう生きる?全ての働き人たちにパワーを届ける、人気お仕事小説第4弾

amazon商品紹介より)

 

まさに、終身雇用神話が崩れて働き方改革や自分らしい働き方、

が叫ばれてる今、とってもタイムリーな内容ですね。

 

もちろん、小説なのでフィクションです。

が、働いたことのある人の大半は読んでいて身につまされる部分が一カ所は出てくるはず。

 

というのも、連作短編集なので

登場人物も様々。

様々な背景、仕事への想い、人生への想いを抱えた人たちが出てくるので

誰かしら、自分に近い人物が現れるのです。

 

本作でもそれは同じ。

順風満帆ない人生を歩む勝ち組CAの女性。

華やかなCAのキャリア、誰もが羨む生活を送る彼女にも、悩みはある。

他人から見たら贅沢な悩みでも、

自分の人生は自分のものなので関係ない。

 

勝ち逃げ、という選択肢もしっかり存在するしたたかで美しい女性に

かっこいいー!と思った。

 

 

基本的に感じ入ることが多すぎて

この本は引用したい場所だらけなのですが

キリがないので自粛。

 

 

ただ、全体を通して発せられてるメッセージには一貫性がある。

 

世間的な「正解」ではなく、自分にとっての正解を大切にすること

 

また、

将来のための今、ではなく今この瞬間を一生懸命生きて楽しむこと

 

どこの会社でどんな役職に就くかではなく、自分がどんなつもりで何をしたくてその仕事をしているのか、

 

全部、それぞれ違う章から大体のニュアンスで抜粋したものですが

なんだかすごく刺さります。

 

「なんかモヤモヤする」

「今の仕事を続けていいのかな」

 

そんな大多数の人が考えたことがありそうな永遠の課題。

自己啓発書やビジネス本を読み漁るのもいいけれど、

たまには小説にヒントを求めてみるのはいかがでしょうか??

 

ちなみにこの本、普通に物語としてもテンポよく読めるので

第1作から読んでみるのもお勧め。

 

君たちに明日はない (新潮文庫)

君たちに明日はない (新潮文庫)

 

果たして私なら、村上真介にリストラ面接されたら

乗り切れるだろうか。