esuの本がある暮らし

本を読むって、面白いしためになるし、ほかの人にも伝えたい。だけど良さを伝えるのって難しい・・・少しでも読んだ本たちの魅力が伝わりますように。

木漏れ日に泳ぐ魚が見えた気がした。

恩田陸さんの『木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

感想いってみます。(難解で感想にならないかも・・・)

 

 

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

 

 

核心部に触れないと感想書けないので

若干ネタバレしてますがあしからず。

 

 

まず、なによりも、

 

人間の心理についていくのが必死

 

2人の男女のひと晩の心理戦。

同棲していたカップルが何らかの原因で別れることになりその引越し前夜、、?

 

と初めに推測しつつ読み進める。

 

1ターンごとに視点が男女で変わっていく分、

こっちもテンポよく追いかける。

どうやら過去の、とある出来事をついに明らかにするための運命の夜。

 

 

表面上は気心知れた二人の顔。

内心はそれが表面上の顔だと互いに 承知している二人。

そのうえで相手がどう出てくるか緊張状態で時間が進む。

 

 

なんてまどろっこしい!!!!

 

 

 

ところで。

忘れてはいけないのは恩田陸さんの作風。

 

なんとなく不気味で不穏な空気が常に漂ってるような。

 

たとえ物語の舞台が現代であっても、

どこか戯曲のような怪しさがあるんだった。

(そういう作品が多い)

 

 

登場人物は2人の男女。

2人の関係性が(読者から見えている範囲と、本人たちが把握している範囲で)変わるにつれて、

相手に対する心理描写も変わっていく。

 

 

実際この本の1番の見所は、

自分にとっての相手がどんな位置付けかによって

全く違う感情に移り変わっていくところでは。

 

と思ったり思わなかったり。

 

劇的な事件が起きるわけでもなく、

過去の出来事を巡って

互いの動作のひとつひとつに神経をすり減らしながら進む人間心理の話。

 

 

率直な感想はそんな感じ。

 

夢中で読みたくなる本ではないけども

じわじわ恩田陸世界を楽しむにはいいかも